コソコソと飲酒&肉食

 本日も6時半起き。子供たちも学校があるので早い。7時過ぎには家を出て行った。アニーは学校のジープで、メヘクはムルジさんのバイクで。子供たちがいない家はとても静か。

 現在は雨季ではあるが、一日中雨降りなわけではない。今朝は天気がよかったので一人で散歩に出かける。ここのところ歩いてないし。先日行ったダム湖のほうに行く。ゆっくり、静かに湖をながめる。周辺の環境もよく、とてもいい場所。1時間ほどふらふらと歩き、いい運動になった。

 家に戻るとマンゴー×ミルクのシェイクを作ってくれた。死ぬほどうまい。やっぱりフレッシュミルクが違うんだな。

 わたくしは今悩んでおります。今夜デリーに行くか、明日行くか。ここにはずっといたいけれどもそうはいかない。町にはネットカフェがないため、日本にいる人たちにもずっと連絡を取っていない。さぞかし心配しているでしょう。気持ちはもう出発する方向ではあるが。

 ランチは小豆のカレーをいただく。相変わらずおいしい。そしてシャワーを浴びて洗濯をする。今日はずっといい天気で暑い。でも日陰はさわやかで過ごしやすい。ムルジさんとハニーはぐっすりと昼寝をしている。ワン公も。おい、ムルジさん、仕事は(笑)?

 そして俺は今夜発つことを、まずハニーに告げる。

 「今夜、デリーに行こうと思うんだ」
 「今夜?本当に? まだいいじゃない」
 「いや、さすがにこれ以上は・・」
 「まだダメ、行かないで」
 「ごめんね、でも決めたんだ」
 「どうしても、今夜行くの?」
 「イエス、どうしても行くよ・・」

 ハニーはとても悲しそうでした。ありがたいことではあるが、俺も悲しいんですよ。そしてムルジさんにも告げる。

 「ムルジさん、今夜デリーに行くことにしたよ」
 「今夜?本当に? まだいいじゃないか」
 「ありがたいんだけど、もう決めたんだ」
 「あと一日くらいいいだろう」
 「でもね、そろそろ・・」
 「いーーや、ダメだ。あと一日!ねっ!お願い」

 ここまで懇願されては、、ということで、優柔不断な俺はあと一日ここにいることにした。長くいればいるほど別れも辛くなるんだけどな。しかしながら、ここまで本気で引き止めてくれるなんて嬉しいことだよな。本当はここを離れたくはない、という思いと、早く移動しないと、という想いが入り混じっている。一人旅、独りでいることをまた望んでいる。親切にされればされるほどそこから逃げたくなる。彼らの親切に甘えて本音を出せないでいることは事実。もっと本音を出して付き合ってよかったはず。ずっとこのままなのか、明日も、煮えきらない気持ちのまま別れなければならないのか。そんなに泣くのが怖いのか?

 今日も夕食作りに参加。料理名は不明だがカレーだと思う。これは今まで口にしてきたものの中で最高のおいしさだった。タマネギをいためて自家製ミルククリームを入れる、そこに塩やガラムマサラなどで味付けしたシンプルなものであるが、とにかくうまい。さらにもう一品、オクラのサブジーを作る。こちらはコリアンダーを大量に入れたカレー。トマトは使っていなかった。

 ムルジさんと一緒にマーケットに行く。なんか誘い方がいつもと違うので変だなと思ったら、なんと行った先は酒屋だった。ムルジさんは肉食だけでなく、飲酒もするようだ(笑)。3,4ヶ月に一回程度らしいけど。気を使っていただいてありがとうございます!酒は外で飲むほかなく、家に酒を持ち帰ると、敬虔なシク/ヒンズー教徒であるハニーが大激怒するらしい。50000という名前のビール2本とツマミにオムレツ。宗教の掟を破りまくるムルジさんが僕は大好きだ。

 「ねえムルジさん、なんでムルジさんだけ肉食、飲酒するの?」
 「大学のクラブに所属していたのがきっかけでね、そうせざるを得ない状況だったんだ」
 「いやだったでしょ」
 「最初はね。でも慣れたら良いもんだって気付いちゃった(笑」
 「好きになっちゃったわけだ」
 「そう。でも家族はみんなベジタリアンだから、こうやってコソコソ外でやるしかないんだ」

 日本人にとっては、コソコソ飲酒と肉食をするというのがかわいらしいと思われるのだが、インド人にとっては大問題なんだろうね。俺もこの時点ではそれほどアルコールや肉に興味は持っていなかった。アルコールはめったに口にしてこなかったし、肉もインドではほとんどとらなかった。ネパールは水牛を結構食べたけど。

 というわけで、ほろ酔い状態で帰宅。もちろん飲酒運転だ。ムルジさんなんかフラフラしてるんだけど、大丈夫か。帰宅すると、ハニーは俺たちの様子を見て勘付いたような顔をしていたが何も言わなかった。俺は酒を飲むと顔に出るタイプなので、赤くなっていた。それを見たアニーが指摘する。

 「シン、どうしたの?顔が赤いよ?」
 「ああ、そうだね、今日は暑かったからねー」

 などとごまかす。そんな状態でアニーの宿題を手伝う。カエルの一生をノートに描写するという宿題。あまり絵が得意でなさそうなアニーは、俺に描いて描いてとお願いしてくる。教科書の絵を模写するだけだから簡単。アニー、俺は絵が上手いんだよ。コンテスト荒らしと呼ばれていたくらいに上手いんだよ。今も片手間でデザイナーやってるんだよ。というわけで、見事なカエルの一生を描く。そしてアニーはしっかりとその絵の下に「メイド・バイ・アニー」とサイン。こんな上手すぎるの学校持って行って大丈夫かよ。小学生のとき、夏休みとか正月休み明けの自由研究や書道の提出で、明らかに親にやってもらったやたらと高度なものや上手すぎる作品もってきた奴がいたけどひんしゅくだったよな。

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