インド家庭の日常を綴る

 そろそろホームステイも終了しようかと存じます。大人の男一人増えるのだって、出費もかさむだろうし気も使うだろうしね。引き際が大事。ずいぶんこの家にも慣れたけれど、いつかは出て行かなくちゃいけない。旅はまだまだ続くのだから。

 というわけで、あまり具体的にインドの一般家庭の生活を書いてなかったので、ここでまとめようと思います。一般というか、このムルジ家についてですね。

 まず朝は6:30頃大人たちは起床。さっそくティータイムに入る。チャイとビスケットくらいの簡単なものです。甘いチャイでも紅茶だけあって大人の飲み物。子どもたちは飲まない。ティータイムのあたりから子どもたちは起き始める。

 それからフリータイム。インド人はたいてい朝シャワーを浴びるので、この時間に各々シャワーを浴びている。シャワー室からは歌なんかが聞こえてきて陽気なものだ。子どもたちは学校に行く時間。この日はたまたま休日でした。キャッキャとはしゃいで遊んでてかわいいことこの上ない。俺も子どもたちと犬と遊ぶ。

 朝食は11:00くらい。準備は30分ほど前に始まる。この日も俺はキッチンに呼ばれ、一般的なインド人が朝食に好むという、ブレッド・ポコーラというものをつくるのを見学した。ポコーラの作り方は前回か前々回の記事で説明した通り。ブレッド・ポコーラの作り方は、半分にカットした食パンにポコーラの衣をつけて揚げるというシンプルなもの。フレンチトーストのベジタリアン版みたいなかんじ?
 さらにこれとは別で、ポテトをスライスし、それにポコーラの衣をつけて揚げるアールー・ポコーラと、同様のものでポテト+オニオンのポコーラも作る。要するに天ぷらみたいなものですね。朝からこの油の多さがインド!シンプルであるがゆえに味はおいしい。確かに朝食にピッタリ。あと、チャイも作った。鍋でつくります。チャイの作り方も家それぞれで違うらしいのだが、この家では隠し味にライチの種を使っていた。この種を潰したものを鍋に入れ、紅茶を入れて煮る。もちろん砂糖も加える。しばらく煮たらミルクを入れて、さらに煮る。ちなみにインドにおけるミルクは、日本のようなパック牛乳ではなく、近所の牛・羊飼いから入手するフレッシュミルク。漫画に出てくるような、鉄製の容器に入れている。これはぜいたく。

 そしてテレビを見ながら朝食。テレビは基本的に月額150Rsのケーブルテレビで、アンテナが必要。一日の収入が100Rsくらいの一般的なインド人にとってはかなりのぜいたく品。ケーブルテレビなので番組数は多く、映画、音楽、ニュース、アニメ、さまざまである。おなじみのCNNやFOX、カートゥーンといった世界的にポピュラーな番組もたくさんある。インド独自の番組ももちろんあり、ドラマなんかは出てくる俳優女優が恐ろしいほどゴージャスで美形。朝はニュース見てることが多かったかな。時々停電になったりするけど。その停電がまた頻度が高く、一日に15~30回は起こる。

 その後、ムルジさんは仕事に出かける。ムルジさんの仕事は自営業で、建築資材の卸問屋のような商売をしている。子どもたちは休日の場合は宿題をやったりしている。やっぱり子どもなので、宿題をためてたりする。アニーの宿題は英語のつづりやリーディング、算数があり、何月何日何時何分にどこを勉強したのかを記入するシートがある。これを親がチェック&サインする形式。決してさぼることは許されないシステムだ。
 ちなみにこの日、ムルジさんが俺に相談してきた。アニーを日本に行かせて勉強させたいと。月にいくらかかるのか?とか聞かれてもわかんないよなー。ちなみにこの町の学校の学費は、500Rs/月である。日本で勉強するとなると、少なくとも今以上にかかることは間違いない。そもそも日本とインドでは教育のシステムが違う。日本で勉強するなら早くても16歳からじゃないかな。学生ビザも撮れるわけないだろうな。ムルジさんがこのことを本気で言っているのか思いつきでいっているのかわからないが、文化が大きく違う日本で、かわいいアニーが苦労するのを見るのがしんどい。かわいいアニーが日本のクソガキどもの影響を受けるのは勘弁。悪い虫がつかないか心配。アニーは俺のものだ。

 ランチは14:00頃になります。この日はムルジさんが昨晩作っておいてくれたフィッシュカレーをいただく。前にも書きましたが、この家の人はムルジさん以外ピュア・ベジタリアンなので、奥さんのハニーは調理もしません。ムルジさんが一人で作ってくれました。これがまた美味かった。犬のジョジョも喜んで食べてた。この犬はめったに肉なんか食えないからな。ムルジさんが肉を食すことについてハニーは特に何も言及しなかったけど、顔色を見るとちょっと嫌そうだった。

 ところで、インド人は家族愛が非常に強いということを以前にも書いたと思う。愛がゆえにしつけも厳しい。もちろん手も出す。愛があればこそだよね。

 モラダバルでお世話になったアミットと電話をした。俺が今シタールガンジにいるということを聞きつけ、わざわざ電話をしてくれたわけです。俺はこの家を去った後、一度アミットのいるモラダバルを経由してデリーに戻ろうかと思ったのだが、残念なことにアミットは今モラダバルにいないようで、会うことはかなわない。アミットやパラスたちに会うことができないとわかった今、モラダバルに行く必要はなくなった。幸いここシタールガンジからはデリーへの直行バスが出る。デリー行きはそのバスを使うことにした。モラダバルの滞在を削ったことで、俺はもう少しだけこのシタールガンジにとどまることにした。というかムルジさんやハニーから強く説得されたんだ。

 「シン、どうしてそんなに早く行くの?そんなに急ぐ必要があるの?」

 ハニーが本当に悲しい顔で訴えてきたので断れなかった。アミットも、バラナシの後には必ずモラダバルに来てくれと強く言ってくれた。孤独な旅の中でも居場所があるって幸せなこと。そして出会えた縁というか運命は大切にしなくちゃいけない。

 おやつタイムが16:30~17:00頃はじまります。この日はマンゴーとサモサ。サモサとはコロッケに似てるもので、説明がめんどくさいので気になる人は検索してね。とっても美味しいのよ。そしてマンゴーはこれまで食べた中でも群を抜くおいしさで、俺は発狂した。実際に、普通のマンゴーじゃないらしい。

 18:00頃、アニーは再び宿題をはじめた。テレビを見ながらだけど。ムルジさんとハニーは近所の人たちと井戸端会議。あれ、ムルジさん、あんまり働いてないよね(笑)。俺はアニーの宿題を覗きながら、また算数を教えてあげながらしばらく過ごす。夜も更けて電球が灯されるが停電が頻発。ろうそくの出番も頻発する。

 20:00頃、夕食・・ではない。ティータイムです。ここでティータイムが来るかー。チャイと乾パン状のお菓子。よく食べますな。ムルジさんと外に出ていろいろ話をした。彼の家は、2年前、3カ月かけて自分で建てたらしい。そしてまだ完成してない。理想の家があって考えながら増改築をするという。仕事も自営業だから安定しているわけじゃない。儲かる時もあればまったく仕事がない時もある。正直、今は厳しいと言えば厳しいようだ。体一つでやっている仕事だし、家族もいて大変ではある。しかし、一生懸命働いて家族を養っているから時々神様が幸せをくれる。それで十分なんだ、と彼は言っていた。そうだよな、余計なこと考えないで、目の前のことを一生懸命やっていればいいんだよな。幸せってのは求めるものじゃないのかもね。求める幸せなんて、ただの欲望だもんね。

 22:00頃夕食。すごい時間に夕食でしょ。寝る前にガッツリだもんな。ムルジさんたちは言っていた。そのうち日本に行ってみたいと。俺としても、ぜひ来てほしいと思っている。その時は、俺がインドで受けた恩恵を10000000000倍にしてお返しするよ。あなたたちのためならなんだってできる。こんな素敵な家族と出会えて絆を深められたことが本当にうれしいのです。

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