さよならネパール。インド再入国

 ネパールとインドの国境の町、マヘンドラナガルにおります。朝からシトシト雨が降っておりますが、すぐに上がるでしょう。だいたい天気のクセもわかるようになってきた。その辺の食堂で朝ごはんを食べて、PCO(電話屋)に行ってムルジさんに電話をかける。今から2時間後、このPCOで待ち合わせということに決定。このPCOは気のいい兄弟が経営してて、英語も少し話せる。彼らに電話を代わって、ムルジさんにこのPCOの場所を伝えてもらったわけです。今から2時間後はちょうどお昼の12時。宿のチェックアウト時間と同じなので、時間が来るまで宿でのんびり過ごす。音楽を聴いたり奇面組読んだりしてた。

 時間が来たので宿をチェックアウト。宿代は175Rsでした。こんなにボロボロでも、175Rsなのです。で、PCOへ行く。行くといっても宿のすぐ目の前にあるんだけども。そろそろ来るはずだな、とPCOの中でのんびり椅子に座って兄弟とだべりながら待っているのだが、来ない。いっこうに現れない。心配になって彼の携帯に電話しても、出ない!PCOの兄弟たちも心配してくれて何度か電話をかけてくれた。昨日の英語教師といい、なんてやさしい人たちなんだ。それにしても来ないなー。こりゃもう一泊か。と考えていると、ふらりとムルジさんが現れました。14時を過ぎてました。2時間の遅刻です(笑)。でも感動の再会です。

 さっそく彼が乗ってきたバイクのタンデムにまたがり、国境イミグレを目指す。幸い天気も良く、雨が降る気配もない。ホント何もないところだなー。あれ、なんだろあの建物。イミグレじゃないのか?

 「ムルジさん、ストップ!」
 「どうした?」
 「イミグレ。さっきのイミグレでしょ」
 「ああそうか、シンはイミグレ行かないとまずいのか」

 通り過ぎました(笑)。国境周辺に住む人たちは、イミグレーション手続きしなくても自由に往来できるらしい。ムルジさんも同様に、何の手続きもなしに国境をバイクで走り抜けてきたわけだ。だが日本人の俺がスルーしたら大変なことになる。それにしても、イミグレオフィスの目立たないこと。オフィスに入ると・・・誰もいない(笑)。代わりに白い犬が一匹いらっしゃいました。ハロー、ハローと呼び出して出てきたのがランニング姿の係員。非常にアットホームで緊張感ゼロ。そしてあっさり出国スタンプが押される。

 それから再びバイクで道路というか舗装もされていない砂利道を進むこと5分、今度はインド側イミグレです。これまた見落としそうなイミグレだった。このオフィスも係員一人だが、ネパールとは打って変わってきびしそうなおっさんだった。厳しそうというかだるそう。阪神に負けた巨人ファンみたいな態度。ここもあっさり入国スタンプが押される。このイミグレを通過して間もなく巨大なダム・川がある。この川を境にインドとネパールにわかれる。

 再び俺はインドに戻ってきた。まあルンビニー以降はインドと変わらないので特段変化はないけど。ここはインド側国境の町バンバサ。鉄道駅もある。道路もきれいに舗装されていて、ここからムルジさんの家があるナナマタまでは快適なツーリングだった。途中の町で軽食がてら休憩。ガイドブックに載っていない町を訪れることはこの上なく楽しい。世界を独占した気分になる。コーラとわけのわからないサンドイッチ様の食物をくらい、再出発。1時間足らずでムルジさんの家に到着した。

 またこの家に来られるなんて、本当に幸せです。これまでの人生、他人の優しさに多く触れてきたものの、この家族ほど思い入れの強い人たちはいない。人前でこれだけ涙を流したのも、この人たちの前以外にない。俺はこれからしばらくムルジさんの家に居座ることになる。そして様々な体験をする。一生涯のかけがえのない時間を過ごす。日本とインド、遠い距離を隔てたフツーの人間が、強い絆を結ぶことになる。これだから人生はおもしろいんだ。

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