プリーの海で

 プリーといえば海。きったない海。日本海のように寒々とした海。そろそろ海に行かないと。

 宿から海は眼と鼻の先。しかし海に出るにはフィッシャーマンズ集落を抜けなければならないのだが、この集落がすさまじい。海岸のスラム街そのもので、そこに住む人々というのがつまり。。もともと漁をする(=動物を殺す)仕事というのがインド的にアレなわけで、まあインドの悪しき伝統がここに強く残っているわけです。別にそこに住んでいる人々が危ないわけでもなんでもないんだけど、その雰囲気には唖然とさせられるものがあり、素早く海岸へと抜ける。

 久々の海。これがプリー名物ウンコ海岸か!噂通りウンコがあちこちに転がっている。これはすさまじい。足元に注意して歩くのと同時に、地元の住人が新たなウンコをつくりだしている現場もあちこちで確認。まあクソくらいどうでもいいんだけど、ゴミがまたすさまじい。インド人のいるところは常にゴミ山ではあるが、ここは桁が違う。まるで夢の島。その大量のゴミを、カラスや猫やがあさっているわけだ。
 海そのものは寂しい雰囲気ながら風情はあり、波も荒くて楽しい。砂浜の上をウンコ同様大量のカニが歩き回る。人気は少なく、波も荒いせいか漁に出ている船もなく、ひっそりと静か。だがガキだけは元気だな。バラナシとかのガキと違って商売っ気がなく、純粋になついてくる。カンフーで勝負を挑んでくるやつもいる。俺もカンフーで応戦すると大喜び。

 さんざんプリーの沈没者を非難している俺だけど、それなりに俺もやることはやってるわけでクズには変わりはない。プリーってそういう町なんだろうね。ジャガンナートの文字を入れ替えると、見事にきまるもんね。インドの中でも特に魔力の強い土地だ。プリーとはこの世の外なんだろう。

 やることやってるので食欲はすさまじく、中途半端な時間に近所にメシを食いに出かける。ガイドブックにも載ってる、ミッキー・マウスという恐いもの知らずの名前の店。そんな名前とは裏腹に、店内はヒンドゥー・ゴッズ一色だ。そしてここの料理の不味さはインド最強であった。とにかくクソ不味くて嘔吐寸前。腐ってるんじゃないかと思うほど。地獄だった。

 傷心の僕はトボトボと通りを歩く。とある寺院のわきにあるみやげもの屋に目が止まる。ジャガンナートってかわいいよね。いろいろ買ってしまいましたわ。

 傷ついた心を引きずったまま、僕は再び海岸に行く。ちょっとたそがれてみようじゃないか。日が暮れてきて、砂浜が金色に変わっていく。美しい。とても美しい。ふと周囲をみると、ガキどもがあちこちでクソしてる。。見事なウンコビーチと変わっていく。そしてそのガキどもが俺によってくるんだよね。人なつっこくてさー。握手を求められる。おいこら!お前今クソしたばっかりじゃねえか!そんな「ハロー」「ハロー」とうるさく声をかけてくるガキどもとは対照の無情の海。遥かかなたはもうモヤに包まれて海岸は見えない。海の反対側へ、真っ赤な夕日が沈んでいく。

 しつこいガキどもやどうみてもドンギマリのおっさんどもをあしらいつつ、宿に帰る。同じ宿滞在のSさんがバイクで帰ってくるとこに遭遇し、乗せてってもらう。ずっと食欲旺盛な俺は宿に戻ってからも食ってばかり。もういやになっちゃう。こんな俺もういやだ。でもそんな心配ももうすぐ終わり。そろそろ移動しないと。明日は次の町に移動しよう。

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