インド 列車の乗り方

 インドでは、都市間の移動は列車がメインになる。非常に便利でどこまでも行くことができるが、面倒なことも多い。また自由席もあるが、ほとんどの場合は予約券を買うことになる。

時刻表を手に入れる
 
まずは時刻表を手に入れよう。カラーでとても見やすい。Appendixで距離と価格の対応表も掲載されていて便利。暇つぶしの書物にもなる。旅のスケジュールを立てる際には、この時刻表が軸になるはず。効率よく移動するための手段をここから選択するわけだ。時刻表を入手できる場所は駅構内の本屋など。必ずあるとは言い切れないが、大きな駅ならある。また、ダイヤ改正が毎年行われるため、ガイドブックに記載されている内容とは違うこともあるので注意が必要だ。

チケットを買う
 目的の列車が見つかったらチケットを買うわけだが、これがけっこう大変。大きな都市では外国人専用窓口があり、便利で取りやすい。ドルも使える。
 チケット申請には申込フォーム必要で、その辺にあったりなかったりする。ない場合は窓口で「くれ!」といえばくれる。フォームに記入したら窓口の列に並ぶ。外人用窓口だと人が少なくていいが、ないと地獄。長蛇の列に耐えつつ、割り込んでくるインド人たちを怒鳴らないといけない。ようやく自分の番がきたら窓口にフォームを提出。それを見て係員がコンピュータ検索して席を確認してくれる。
 僕の経験上、翌日の列車が取れる確率は60%。時期や場所にもよるが、インドのビッグホリデイと重なると、まず取れない。だから余裕をもった計画が必要になる。3日前には確保するなり、先の予定をフィックスさせて複数のチケットを一気に取ることをおすすめする。

予約フォームに記入する
 
予約フォームの書き方は下記のとおり。

発給されたチケット

 席がない場合はW/L(ウェイティング・リスト)に載せるかどうかになる。W/Lとは「今は満席だが当日空きが出た場合に繰り上げで席が確保できる」というもので、通し番号が一緒につく。番号が小さいほど早い。空くかどうかは当然予想できないわけで、番号の数字が大きい場合はあきらめた方が賢明かもしれない。ただ、席はないが、W/Lのチケット(もちろん定価)で列車に乗れるには乗れる。席がないだけである。その場合、列車内のわずかに空いてるスペースに突っ立っているとか、空いている席に勝手に居座るなどで耐え忍ぼう。
 チケットが発給され、お金を払う。チケットに記載されている内容を確認しておこう。

列車に乗る
 プラットフォームには電光掲示板があることが多いが、掲示板が無かったりぶっ壊れているなど、どのPFに行けばいいのか分からない場合は駅員に聞くしかない。
 当該駅始発ならたいてい発車時間前には列車は来ているし、時刻通り発車する。それ以外は99%遅れるといってよい。始発駅から遠いほど遅れも大きくなる。長時間の移動の場合には駅構内やPF内の売店で水や食料を買っておいた方がいいだろう。車内販売は来るがかなり不安定。一向に来ないこともある。

 乗る。当該車両の出入り口のあたりに、乗客名簿が張り出されているので、そこで自分の名前を確認する。車内に入ったら自分の番号の席を探す。見つけやすいので安心してほしい。時々自分の席に他人が既に座っていたり寝ていたりするが、遠慮なく追い払おう。席を見つけたら、まずはバックパックをチェーンロックし、座席の下にしっかり格納する。乗車後しばらくすると、駅員がチケットの確認に来る。夜行の場合、エアコン車は毛布とシーツと枕が配給される。食事の注文を取りに来ることがあるが、外国人はたいがい無視される。こちらから声をかけよう。
 列車のドアは自由に開けられる。車両間のドアはもちろん、出入り口さえも。ドアを開け放ち、外の風をうけながら、横に流れる壮大な景色を眺めるのもきもちいい。トイレは各車両に2つあるので問題はない。当然紙はなく、水も手洗いの水道のみなので、大の時は水を持参した方がいい。ちなみトイレは地面と直通となっており、垂れ流しである。

列車を降りろ
 目的地に着いても車内アナウンスはない。列車のスタッフも声をかけてくれないので、到着時間頃には起きていないと乗り過ごす危険がある。時間も必ず遅れるし、現在地がどのへんか全くわからないので、こまめに聞きまくるといい。近くの人にアピールしておくと知らせてくれることがある。次の目的地が決まっているのなら、到着駅でチケットをとったほうが楽。

その他1 ポーターを使う
 
荷物が多かったり重すぎて辛い場合は、ポーターという荷物持ちに依頼するといいだろう。20Rs程度で雇える。

その他2 裏技:外国人特権
 外人窓口がなく、チケットがとれずW/Lであっても、乗車チケットに変える技がある。窓口の係員に「外人用チケットが欲しい」と言ってみる。「ない」と言われたらそれまで。ある場合は、W/Lのまま発券され、料金もそこで支払う。
 次に、そのW/Lチケットを「Supervisor」と書かれた部屋に持って行く。この部屋は文字通り駅長がおり、その人にチケットを渡す。すると外国人名簿に記入を促されるので、個人情報を書き込めばOK。W/Lチケットは乗車チケットに変わる。ただし、当駅始発の駅でしか使えないので注意。