時がきたのでユースホステルに向かう。駅から歩いて15分くらいかかる。まだ早朝だし歩ける。いやいや暑いけどね。駅から真っすぐ伸びている道を行けば着くけど、若干わかりづらいところにあるかも。ちょうど7時に到着し、チェックイン。オフシーズンのためか、広いユースホステルではあるが誰一人宿泊客はいない。ユースホステルってのは、かつては冴えない学生が夏休みに全国各地から集い、キャンプファイヤーを囲って自己紹介したり、ひと夏の恋に浮かれたりと、青春を過ごすための施設だったのであるが、今ここには誰一人いないのである。部屋のベッドには蚊帳が常設されている。しばらく宿に泊まっていなかったため、まずはシャワーを浴びて洗濯をする。
彼もすぐエローラに行くというのでさっそく出発。エローラに行くにはバスを使うのがふつう。バススタンドはユースホステルから10分くらいのところかな。エローラはインド屈指の観光地であるため、バスはたくさん出ているはず。
ただしバスに乗るにはちょっとしたコツがいる。どうせ人だかりになるのはいいとして、とにかくクソ暑いため、太陽の位置を考えて座席に座らないといけない。あらかじめ地図を頭の中に叩き込んでおき、向かう方角とその時刻の太陽の位置を推測し、直射日光に当たらない側に座らないと死ぬ。基本バスは満席になるので、途中座席移動ができない。今回の場合は西側の座席に座る。
エローラ石窟寺院までは所要50分。暑いことは暑いが、デカン高原を吹き抜ける風がさわやかで、いやらしい暑さではない。
入場料は驚愕の250Rs。相変わらずむしりとってくれるよ。250Rs分は楽しまないとね。Y君と第1窟から丁寧に見て回る。ちなみにエントランスから真っすぐ前にメインである第16窟があるんだけど、そこは最後にとっておく。俺たちは貧乏性なんだ。じらしてじらしまくって絶頂へ、が基本じゃないですか。インド人のビッグホリデイのわりに、意外と観光客は少なかった。さすがに外国人は比較的いました。広大な敷地のため、普通のインド観光であればのたれ死ぬところではあるが、風がね、ほんとにさわやかで。うまくできてるなと。石窟の中は涼しいしね。観光がしやすいことこの上ない。観光ルートもしっかりできており、道も途中までは整備されているものの、やっぱりインド。けっこう自由に崖登ったりできるんだよね。崖の上に立って果てしなきデカン高原に圧倒される。見渡す限りの地平線。荒野。もうまさにゲームの世界。崖を下り、ヒンドゥー編最後の第29窟。これまた神秘的な世界。
Y君、観光を終えたのでメシでも食おうか。石窟群の近辺には食べるところがけっこうある。高級なところもあるけど、普通のメシ屋が多い。割高だけどね。でもオフシーズンだったから、ターリーが50→30Rs。量は相変わらずすさまじいけど。
帰りのバスが面倒だった。なかなか来ないの。つーか一向に来ないの。来ても無視されて通り過ぎるの。道路に出て行って大きく手を振って止まれーーと叫んでも無視するの。俺たち同様困っている白人青年とともに、リキシャーシェアして帰ろうかということになったが、乗れるリキシャーがいねえ!いるのはみんなチャーターされたもので、遊軍がいないんだよ。オフシーズンは人が少ないことはいいけどこういうときは困るな。ま、結局バスつかまえることができて帰れたけど。
Y君はインドに来たばかりで、1ヶ月程度旅をするという。だが所持金は12000Rs。帰国の飛行機チケットはもっているにせよ、正直これはきついよ。そして今後のスケジュールを聞くと、オープンジョーでデリーOUT北上の旅。すべてA/C車両の旅を考えているという。絶対無理。心配なので、彼のために時刻表を開いて最安のルートを調べてスケジュールを組み直した。消去法で行き先を削り、もちろん車両クラスはすべてスリーパーにさせ、基本夜行列車宿なし行程。時刻表も持ってなかったんだよね。まだインドの恐ろしさを知らない。大丈夫でしょうか。メシを食いつついろいろと相談に乗る。20時前には宿に帰る。ユースホステルだから、門限があるのよ。
この日の出費:
宿160Rs 朝食20Rs バス15 エローラ250Rs 昼食30Rs 水10Rs 夕食25Rs