4日目:魚うり

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翌朝、ムルジさんに連絡してもらったところ、昨晩深夜に帰宅していたらしい。もう家でぐっすりと休んでいるという。あの道草大王・遅刻魔であるムルジさんが意外と早く帰ってきたものだ。アニーが昨晩Facebookで「いつまでいるの?」と連絡くれて、明後日までだよ、と返事したから急いでくれたのかもしれない。

ご存知の通り、パパジーは左ひざが悪く、びっこをひいている。サポーターをつけてはいるが、ただのひざカバーで何の意味もなしていない。たまたま俺はジョギング用にZAMSTサポーターを持っていたため(インドで走るつもりだった。何を考えているのか)、彼に試させてみることにした。

「パパジー、このサポーター試してみてよ」
「・・・!!!」

彼は言葉を失った。もうぜんっぜん違うらしく、唖然としていた。いつもより断然スマートに歩けている。もちろんプレゼントしたぜ。左ひざ用だったからちょうどよかった。嬉しいことに、俺はパパジーの頭とひざのケアをすることができたわけだ。ヘルメットもそうだったが、これにはパパジーは本当に喜んでいた。ちなみにヘルメットをプレゼントしたその日、さっそくノーヘルで出かけていきやがった(笑)。
午前中はチャイを飲みながら、ヒンディー語をいろいろと教えてもらった。自分の名前くらいは書けるようになった。

昼過ぎに念願のムルジ家に行ってきた。7年前とは違う間取りになっていた。増築されてた。なつかしのムルジさんとハニーに再会。そしてベッドの上にちょこんといたのは、7年前ベイビーだった、マハクちゃんだ。かつてのアニーに瓜二つでメチャメチャかわいい。いやー、ずいぶん大きくなったわ。当時あんなに小さくてことばもほとんどしゃべれなかったのに、俺のことを憶えていたらしい!小さい手で握手。

そしてアニーはまだ寝ているという。ムルジさんは「ひっぱたいて起こしてやれ」などというので、俺はぐっすり眠っている、すっかり大人になったアニーのほっぺたを、春のそよ風の如くやさしくなでて起こす。
アニーはゆっくりと目を開けて、ちょっと恥ずかしそうに笑っていた。念願の再会である。本当に大きくなった。7年間ってこんなに長いものなんだな。大きくなったけど相変わらずかわいい、いや美人に成長した。いまや16歳である。

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リビングのベッド周辺に集い、お土産を渡す。それからいつものように大きなベッドでくつろぐように指示される。いつもながら躊躇するんだけどね。そこに人懐っこいマハクちゃんが来ていろいろと写真を見せて話しかけてくれた。しぐさも何もかも昔のアニー。そこに大人になったアニーが隣に来て一緒に写真を見て話をした。アニーちゃん、ホント大人だ。俺はこのときを待っていたんだ。たくさん話をした。本当に幸せだった。最高の時間だった。

ムルジ家は仕事や昼寝の時間に突入するっぽかったので、いったんパパジーの家の戻り、夕方また来ることにする。パパジーはお友達の家に行くということで、俺は独り、翌日のスピーチ原稿を作っていた。みんなマイペースに振舞ってくれるから俺もラクだよ。

何のスピーチかというと、やはり、予想通り、またしても学校で授業をさせられることになっていた(笑)。もう当たり前のように。
だが今回は唐突ではなく、前もって言ってくれてたし(昨日だけど)、授業するのは1クラスだけ。準備していけば余裕だ。時間は40分を与えられているのでスピーチだけだと間が持たない。こんな作戦を考えている。

・自己紹介・スピーチ10分
・質疑応答15分
・サイン(カタカナで生徒の名前を書いてあげる)15分

原稿をせっせと書いていると、家に何者かが侵入してきた。アニーとマハクちゃんだった。マハクちゃんは俺になつきながらも、傍で宿題をせっせとやっていた。アニーはテレビをつけて俺にインド人俳優や女優をいろいろと教えてくれた。年頃だね。アニーは音楽番組が一番好きらしい。もう少ししたらグルドワラに行くよ、ってことだった。

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夕方になってムルジ家に戻る。が、なかなか出発せず時間は流れ、グルドワラに行く予定は流れました(笑)。またしてもです。相変わらずです。これもまた懐かしいです。ムルジさんの仕事の都合だったと思うが。。
家でくつろいでいるとまもなく計画停電。17時~21時までと、結構長い。この家には停電用のインバーターがあるのだが不調らしく、ファンも回らずかなり暑い。この件と、他にも何か理由があったのだろうが、ムルジさんとハニーがなにやらもめてけんかっぽくなっていた。圧倒的にハニーが強いんだけど。いつものことだろうがせめて俺の前では・・・。それをみてアニーもマハクも苦笑いしていた。
ろうそくに火をともし、マハクちゃんはろうそくの明かりでせっせと宿題をやっていた。それがまたかわいい!ムルジさんはどこかに出かけていき、この後俺はどうなるのかさっぱりだった。でもみんなとだべって楽しく過ごしていました。
しばらくしてムルジさんが戻ってきた。マーケットに行かないか、ってことで、俺は正直いやだったけど行ってきた。だって道草大王なんだもん。

目的は魚を買いに行くことだった。今回も俺にフィッシュカレーを振舞ってくれるつもりらしい。まあ、ただの買い物ならいいかと一緒に出かけることにした。
しかしながらさすがである。超ノロノロ運転(歩行速度と同等)で相変わらずあたりをキョロキョロ。目的の魚屋についてもノロノロしていました。シェリー家とは正反対で、ダメなところばかり健在(笑)。
インドの魚屋は非常に不衛生である。魚屋といっても、ほこりだらけの道端の小さな掘っ立て小屋である。中央のテーブルにおもむろに刃を上にして突き立てられたナイフで次々と魚(謎の淡水魚。骨が多い)を分解していく。時々汚いバケツの水で手をすすぎながら、手際よく捌いていく。
この光景を見て、食べたいと思うキチガイがどこにいようか。でも客はけっこういた。3人くらい。インドではいまだに天秤をつかって重さをはかり、料金を決めている。それにしても生臭い。周囲の野犬が襲ってこないか心配だ。なんか周りもガラが悪く、変な2人組に声かけられたし。
買い物、終わりましたね?さっさと帰りましょうね。だがまっすぐ帰らないのがムルジさんなんだよな~。わき道のマーケットに迷い込んでいく。俺はまずいと思い、何か買うものがあるの?なければさっさと帰りましょうと急がせる。帰り道も超牛歩だった。ようやく帰宅してムルジさんは調理にかかる。
まだ停電中だったので、ろうそくの明かりで勉強しているマハクちゃんの手元をスマホのライトで照らしてあげていた。アニーちゃんは「この子は怠け者だから甘やかしちゃだめ」とライトを消すよう求めた。お姉ちゃんの愛ゆえの厳しさだろうが、ライトくらいいいだろ(笑)。
フィッシュカレーはもちろんムルジさんが調理。その間は暑くてどうしようもなく、6箇所も蚊にさされたよ。あたしゃトホホだよ。みんなほとんど刺されないのに、なんで俺だけ?
宿題を終えて暇なマハクちゃんは、ろうそくになにかを当てて燃やしてキャッキャと喜んでいた。それをアニーちゃんがいさめていてとてもほほえましかった。

魚カレーがようやく完成し、かなりの量を食べさせられた。相変わらずムルジさん以外はベジタリアンで、ムルジさんがふざけてアニーに「どうだ」とすすめていた。そうこうしているうちに電機が復活。少ししてパパジーが用事(たぶんデート)から帰ってきたので、一緒にパパジーの家に帰る。もうすっかり遅くなっていたが、翌日に控えたスピーチのため、原稿の校正が必要であった。まだ眠れない。

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