インド基本情報

概要

 インド共和国(Republic of India)は南アジアに位置し、インド亜大陸を占める連邦共和国。パキスタン、中華人民共和国、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマーとは陸上で、スリランカ、モルディブ、インドネシアとは海上で国境を接する。 南アジア随一の面積と世界第2位の人口を持つ大国である。
 人口は10億人を超え、多くの民族や言語、宗教によって構成されている。中央政府とは別に各州に政府があり大臣がいる。主な言語だけで15を超えるため、インド政府が発行する紙幣には17の言語が印刷されている。
 ヒンドゥー教徒が最も多く、撤廃されたカースト制度であるが、いまだその影響は強く残る。1947年のイギリスの植民地からの独立の際、それまでのインドは、インドとパキスタンに分裂した。その後、パキスタンの飛び地となっていた「東パキスタン」が1971年にバングラデシュとして独立した。

地理と気候

 多くの地域では雨期が存在し、三つの季節、夏、雨期、冬に分けられ、雨期を除いてほとんど雨の降らない地域も多い。北インド・中央インドはほぼ全域に肥沃な平野がひろがり、南インドのほぼ全域はデカン高原が占める。国土の西部には岩と砂のタール砂漠があり、東部と北東部の国境地帯は峻険なヒマラヤ山脈が占める。気候は南端の赤道地帯からヒマラヤの高山地帯まで多様性に富む。  

政治

 国家元首は大統領。実権はなく、内閣の助言に従い国務を行う。議会の上下両院と州議会議員で構成される選挙会によって選出される。任期は5年。 副大統領は、議会で選出される。
 内閣は下院に対して連帯して責任を負う(議院内閣制)。また、連邦議会の議事運営、重要問題の審議・立法化と国家予算の審議・決定を行う。 議会は、両院制で、州代表の上院(ラージヤ・サバー)と、国民代表の下院(ローク・サバー)とで構成される。
 有権者の人口が多いため、選挙の投票は、5回にわけて行われる。 選挙は小選挙区制で、投票は用紙に印刷された政党マークに印を付ける方式であり、今日まで行われている。

領土紛争

 カシミール地方のインドとパキスタン・中国との間で領土紛争があり、特にパキスタンとは激しい戦闘が繰り返され(印パ戦争)現在は停戦状態にある。インドの主張するカシミール地方は、ジャンムー・カシミール州となっている。 これとは別に、インド東部アッサム州北部のヒマラヤ山脈南壁は中国との間で領土紛争があったが中国側が自主的に撤退し、現在はインドのアルナーチャル・プラデーシュ州となっている。

地方行政区分

 インドは28の州と6つの連邦直轄地域と、デリー首都圏から構成される。ただし、ジャンムー・カシミール州はその全域をパキスタンとの間で、またジャンムー・カシミール州の一部とアルナーチャル・プラデーシュ州のほとんどを中国との間で、それぞれ領有権をめぐって外交・国際政治の場で激しく争われている。主要都市は下記の通り。

 ムンバイ、デリー、バンガロール、コルカタ、チェンナイ、ハイダラバード、アフナマーバード、プネー、スーラト、カンプル、ジャイプル、ラクナウ、ナグプル、インドール、パトナー、ボーバール、ターネー、ルディアナ、アーグラーなど

経済

 1991年に通貨危機をきっかけとしてインド型社会主義の実験を終え、経済自由化に政策を転換した。外資の導入、財政出動などにより、経済は成長を遂げた。2003年にはゴールドマン・サックスがレポートで、中国やロシアとともにBRICsと呼び成長を続ける新興国として注目されるようになる。2007年には同じくゴールドマン・サックスが「インド経済が今世紀半ばに米国を追い抜き、中国に次ぐ世界2位の経済大国に成長する」とのレポートを出した。
 産業構造は、農業、サービス業の比率が高いが、農業が減少しサービス業が伸長する傾向にある。 貿易については、産業保護政策をとっていたため貿易がGDPに与える影響は少なかったが、経済自由化後は関税が引き下げられるなどされ、貿易額が増加、GDPに与える影響力が大きくなっている。主な貿易品目は、輸出が宝石や医薬品、輸入は宝飾製品や原油など。
 世界に名をはせるインドの企業は下記のようなものがあげられる。

 インドステイト銀行、ICICI銀行、リライアンス・インダストリーズ、タタ・グループ、マヒンドラ・グループ、バーラト重電機、マルチ・スズキ、ヒーロー・ホンダ、バジャージ・オート、ロイヤル・エンフィールド、バールティー・エアテル、インド南部鉄道、ウィプロ、エアインディアなど

通貨

 ルピー (Rs, Rupee) とパイサ(Paisa)。1ルピーは100パイサ。25パイサ未満の通貨はほとんど出回っていない。 1万円は約5500ルピー(2009年2月現在)

道路

 イギリス領だった影響から、左側通行。 高速道路などは計画・建設中の段階。デリー・コルカタ・チェンナイ・ムンバイを結ぶ延長約5800kmの道路(通称「黄金の四角形」)が2006年中に完成した。
 大都市では片道3車線以上で立体交差であるが、数十km郊外に行けば片道2車線で一般道と平面交差し、近所の馬車や自転車も走る。これ以外の道路も舗装はされているが、メンテナンスが十分でなく路面はでこぼこ。

鉄道

 鉄道が移動の主体となっている。貧富の差が激しいのにあわせて、使う乗物によってかかる費用が大きく違う。日本の新幹線を基にした高速鉄道や貨物鉄道も計画されている。

航空

 かつて旅客機は一部の富裕層でしか使われていなかったが、2000年代に入り国内大手資本により格安航空会社が多数設立され、それに併せて航空運賃が下がったこともあり中流階級層を中心に利用者が増加している。航空会社としては以下のものがある。

 エア・インディア、ジェットエアウェイズ、インディアン航空、エア・サハラ、スパイス・ジェット、キングフィッシャー航空、エア・デカン

人口

 2007年の人口は1,131,043,000人。インドの人口は1950年以降、毎年1,000万~1,500万人の勢いで増加し続け、2005年には11億人を突破した。国連の予測では今後もこのペースで増加し、2030年代に中華人民共和国を追い抜く可能性が高い。中華人民共和国が一人っ子政策を見直さない限り2030年代で人口が頭打ちになるのと比べ驚異的な伸びといえる。ただし2030年代以降は毎年500~700万人増と人口増加はやや鈍化する。とはいえ2050年には16億人近くに達し、その後も増加し続け、2100年には18億人近くになるというのが大方の専門家の見方。

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