アーマーダバードでも行くか

 早朝4時起き。これからムンバイを目指す。とりあえず中継地のアーマーダバードに行きます。そして持っている列車チケットはここまでで、その先ムンバイ行きはとれていない。アーマーダバード行ったらもう一度ムンバイ行き列車のチケットを当たるか、なければバスを探さないといけない。
 昨晩オートリキシャーを手配していたので、駅までの道中犬に襲われる心配はないんだ。しかしさすがインド。リキシャードライバーは約束の時間に来ていない。オートリキシャーはあっても中身は空っぽだ。ばかやろう。

 怠惰なオートリキシャーに激しく揺られて駅まで一直線。駅に着くと、そこには人がたくさん。実にたくさんの人が寝ていた。。ダイイングっていうの?あるじゃん。集団で死にポーズするメッセージ。あれみたいなかんじ。邪魔だ。
 さて、俺の乗る列車はジョードプル始発なので、すでに列車はホームにいた。水とお菓子を買ってすぐさま上段席に上ってしばらく寝ることにする。アーマーダバードに着くのは予定では15:30くらい。まだまだ涼しいが、これからあっという間にクソ暑くなる。ここはスリーパークラス。

 行きたくもない街に行き、取れるかどうかもわからないチケットを手に入れなければならないという不毛さ。ゲームみたいだよな。アイテム集めて次の目的地へ、だもん。夜行列車は眠れるからいいけどさ、昼間はホント暇なんですよ。本は全部読み終えたし、オーディオプレーヤーは電池が切れてるし。もう眠くないし。クソ暑いし。

 珍しく定刻通りアーマーダバード到着。出口の近くの売店で遅めのランチ。謎のサンドイッチを食す。中身はクソ不味い何か。辛くて甘い。いまだに謎。ジュースで無理やり流し込む。

 さーて、列車チケット取りに行きますか。駅の隣に予約オフィスの建物があり、外人用窓口もある。先日W/Lをくらった予約フォームを一応提出してみる。やっぱりW/L。希望のクラスはA/C席だったのだが、SL(スリーパークラス)で出してみるとAvailable、つまり取れました。ジョードプルの窓口でもSLで聞いたんだけど、その時は無いって言われたんだよ。なんとなくわかった。たぶん、窓口の職員によって、外人枠に振り分けたり分けなかったりするんだろう。時期的にこんなに早くW/L番号が繰り上がるとは考えにくいし、数少ない外人がキャンセルしたとも考えにくい。まあ取れたからどうでもいいんだけど。これでムンバイに行ける。

 列車がダメだったらバスにするつもりだったし、バスによってはこの街で一泊しないといけないところだった。列車チケットが取れた今、非常に暇である。列車の発車時刻は22:00。あと6時間もあるじゃねえか。6時間あったら山手線6周できるじゃねえか。とりあえずぷらっと出歩こう。と、そんな俺に声をかけてくる男。この人こそ、インドで最初で最後の模範的リキシャワーラーであった。この時はまだリキシャワーラーであることはわからない。

「日本人か?どこ行きのチケットをとったんだ?」
「ムンバイっす」
「ほう。列車No.2092、22:00発とみた」
「すごい!!よくわかりますね。僕をつけてたんですか?」
「つけてなんかないよ。外国人はチケットを取りやすいんだろう?」
「そうなんですよ。ところでおじさん、この辺に銀行ない?」
「たくさんあるぞ」
「ほんと?SBIってある?」
「SBIならこの道をずっとまっすぐ行けば着く。20Rsで行くがどうだ?」
「おじさん、リキシャワーラーだったの!?」
「ソウダヨ」

 確かに声をかけてきたのはおじさんである。だが、営業してこなかった。話をさせて、話の流れをとらえてようやく営業をかける。素晴らしいやり方じゃないか。しかもだ、銀行の位置を地図で確認したところ、20Rsは妥当どころかかなり安い。上記以外の会話もした中で、間違いなくこの人は信用できると確信した俺は彼のオートリキシャーに乗ることにする。クソ重いバックパックをクロークルームに預けて出発。…おじさん、運転がすごく滑らか!快適!揺れない!リキシャーなのに乗り心地がいいって、ありえないだろ。
 SBIにスムーズに到着。待ってようか、と言ってくれたがぶらつきたかったので丁重に断ると、あっさり帰って行きました。去り際まで完璧。俺は本当に感動した。良識をもったリキシャーワーラーは非常に、非常に数少ないが、いる!0.1パーセントくらいの割合だけど、いる!

 せっかくSBIまで連れてきてもらったのに、T/Cの両替は時間外、終了してました。まあそんな気はしていた。ふらつきながら銀行を5軒ほど回ったけど、どこもダメだった。T/Cの両替は時間に注意ですね。
 アーマーダバードのメインストリートとなるMGロードはすごい活気があり、物にあふれている。石鹸とか電池といった生活消耗品を調達し、再び駅まで歩く。クソ暑い中よくがんばったね。

 22時までどうしよう。とりあえず駅のウェイティングルームに行って休む。どっか店とかで休めばいいじゃん、とあなたは言うでしょう。ねえんだよ。公園とかあるだろ、とあなたは言うでしょう。ないんです。あってもクソ暑いんです。屋内でじっとしていればとりあえず死ぬことはない。20時頃、売店でテキトーに食事をし、その後ウェイティングルームのシャワーを使ってさっぱり。さっぱりとは言いたくないんだけど。きったねーから。ちなみにシャワーを使うのに1Rsかかります。次にクソをしなければならない。これも1Rsかかります。それにしても、何故インド人はクソを流してくれないのか。次に入る人が鑑賞できるようにしているのか。まったく不思議で仕方ない。

 耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、ようやく列車に乗る。終点はムンバイなので気楽。スリーパークラスだけど夜間は平気。むしろ快適。

 ※インドチャンネルによると、アーマーダバードをうろつく野犬は30万頭だって。で、野犬による被害は1日500件だって。こわすぎるわ!

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