中継地デリーで休憩

 ダラムサラからA/Cデラックスバスでデリーに向かっている。約12時間の道のりを走ったバスは、時間通り午前7時にデリーに到着。が、バススタンドはニューデリー駅から8キロも南の場所。これは予想外。勘弁してよもう。またクソリキシャーと交渉しなくちゃいけないじゃん。バススタンドでたむろしているリキシャワーラーどもが俺の姿を見つけけるや否や群がってくる。

「俺のリキシャはメーターだ、安心しろ、さあ乗れーーーい!」

 あ、メーターなんですか。じゃあ大丈夫ですね。ありがとうございます。って、俺はメーターの相場を知らないんだ。思えばこれまで乗ったリキシャはすべて交渉制で、メーターは初めて。しかし情報によると、このメーターはあってないようなもので非常に信憑性が低いとのこと。俺はカマをかけてみることにした。

「メーターで1kmおいくらかしら?」
「メーターだ、安心しろ!」
「いや、そうじゃなくて、メーターで1kmいくらなの?」
「安心しろ、メーターだ!」
「おい、てめえとの交渉やめるぞ」
「60ルピーです」
「ほらみろ高いじゃねえか。やめた、バスで行く」
「まて、いくらならいいんだ?」
「10ルピーだな」
「ハァッ!?」

 これはサイクルリキシャの相場ですね。話にならないとあきれるリキシャワーラー。と、そこへ別のリキシャワーラーが声をかけてくる。ちなみに、リキシャワーラーの間には暗黙のルールがあるようで、誰かが交渉しているうちは割り込まないようだ。別のリキシャワーラーは交渉が決裂したとみて声をかけてきたのである。

「ヘイ、どこまで行くんだ?ニューデリー駅か?」
「あ、えっとね、メインバザー…」
「俺が交渉してんだろコラぁああああ!!」

 先ほど呆れて帰ろうとしてたリキシャワーラーが憤慨。そのリキシャワーラーと再交渉。客を失うより少しでも稼いだほうが良いに決まっている。駅まで80Rsで交渉成立。してやったりですわ。結局メーターの意味など全然なかったじゃん。

 駅に着き、さっそく列車の手配をしに外国人用ブッキングオフィスに行く。途中声をかけてくるインド人。ブッキングオフィスは外に移動した、などとアホなことをほざいているが当然無視。しかしオフィスが開くのは8時からなんだよね。まだ7時半。リフレッシュルームは開いていたのでそこで朝食。パクチーは入れないでって言ったのに入れちゃうインド人。話をちゃんと聞けよ。8時になってオフィスに行って10分程度ですぐチケットはとれた。今夜出ます。ジャンシー駅に行きます。目的地はカジュラホ村の遺跡であり、ジャンシー駅が最寄なの。その遺跡は世界遺産であり、ミトゥナ(男女交合のエロ彫刻)満載であり、期待値大。

 無事チケットをとり、オフィスの外に出ると、外国人の女の子からナンパをされる。両替所を聞かれただけなんだけど。両替所、んなもんメインバザールに腐るほどあるじゃん。

「朝早く開いている両替所を探してるの」
「OK、君はとてもキュートだから一緒に探してあげよう」

 というわけで、一緒にメインバザールに行く。彼女の名はエレナ。スペインはバルセロナ出身の24歳。バックパッカーではあるが、青山あたりにいそうなオシャレな服装で小柄。旅人とは思えない。そんなだから心配になって付き合ってやったのかもしれない。メインバザールの両替所をあちこち探したがやはり開いているところはなく、ヒマを持て余す俺たち。

「ねえ、わたしの泊まってる部屋に来ない?バックパックも重いでしょ?」

 え…何この展開。何ですかこのエロ展開。据え膳食わぬは男の恥ですからお言葉に甘えますね。俺は彼女の部屋でしばらく過ごすことにした。

 

 列車が出るのが21時なので、ほぼ丸一日ヒマだった。エレナもかなりヒマそうだったのでこの後もずっと行動を共にしていた。身の上話をしたりショッピングしたりネットカフェに行ったりメシ食ったり。通りをふらふらしていると、やはりここはデリー、客引きが声をかけてくるわけだ。気さくでやる気なくてナイスガイなおっさんだったので、ヒマだし話でも聞いてみますか。恒例のカシミール観光のご案内です。写真を見せてもらうとやっぱり素敵な場所なのよね。
 カシミールとはインドとパキスタンと中国・チベットを国境とする地域柄、複雑な歴史と現在も大きな問題を抱えている紛争地帯である。インド(ヒンドゥー)とパキスタン(イスラム)の戦いが続いている。が、全ての地域が危険というわけではなく、外務省が出している渡航情報においても、ラダック地域は「十分注意してください。」の表記。国境地帯が非常に危険なくらいかなと。いつかは行きたい場所。

 すっかり仲良くなったエレナに別れを告げ、列車の発車時刻よりだいぶ前にニューデリー駅に行く。シャワー室で汗を流そうと思ったんだけど、そこが汚いのなんのってもう断念。プラットフォームは直前で変更され、列車は始発だったくせに遅れるというのはもういつものことなので何も言わないが、掃除はもっと頻繁にやってくれ。。。

 この日の教訓として、時間をつぶすのは容易でないことを痛感した。クソ暑いので公園とかで休むという選択肢がない。そもそも公園がない。駅のウェイティングルームで時間をつぶすのにも限度がある。無難なのはA/Cのあるレストランで読書等に興じること。もしくは数時間契約で安くゲストハウスを借りて寝ることかな。クソ重いバックパックを背負ってクソ暑い中うろつくのは無駄に体力を消耗するだけですからね。今のインドは酷暑期。余計に気を使わないといけない。

コメント


すいません!!エレナさんとは、その、、肝心の、、おチョメチョメはしたんですかしなかったんですかっ!!??それだけ教えてください!!!!

Posted by 山田 at 2015/10/22 03:41:08.532911+09 PASS:
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