さよならアーグラー、永遠に

 タージマハルしかない町、とまではいかないけれど、特別魅力的なものはない。先の予定もあるし、ここで時間を使うつもりもないからロクに調べてもないんだけど。宿のオーナーががめつくて印象が悪くなったってのもあるし。

 タージを見た翌日、俺は腐っていた。いや、今後のスケジュールを立てていたんですよ。時刻表・地図とにらめっこして。この時間が楽しくて。インドの鉄道網はかなりのもので、いろんなルートでいろんなところに行けるから、ルート作りが楽しいわけです。大まかなルートはもう決めていたので、そのプランに沿って詰めていけばいい。考えるべきは最短距離で効率よく回ること。そして滞在予定は少なめに見積もること。どうせ暇になって腐るだけだから。

 アーグラーは一大観光地というわけで、近くに空港もあり、道路が非常にきれいに整備されている。こんな町はインドのなかでも稀でしょう。しかしながら商業施設はタージマハル周辺にあるくらいで、少し離れると何もない。実際に俺が泊まっているこのゲストハウスの周辺も何もなく、食堂すらない。あるのは小さな売店くらい。だからアーグラー滞在中はパンケーキとビスケットばかり食べていた。インスタントコーヒーをもっていたのがせめてもの救いだ。ゲストハウスの食事は前にも書いたとおり、恐ろしい高さで屈辱でしかない。

 俺はメシに対して何の欲求もなく、旅を通じてまともなものを食っていない。特にインドはターリーくらいしかないじゃん。選択肢もないし。

 それでもこの辺は何もなさ過ぎて困った。周辺をけっこう歩いたのだが、あるのは相変わらず小さな売店のみで、それも品ぞろえはどこも同じ。駅前に行っても何もない。チャイ屋があるくらいだった。せめてフルーツでも手に入ればよかったのだが。

 写真は駅前の風景。駅前でこれだもん。とはいっても、インドの駅前は日本と違い、こんなもん。リキシャーがうようよいるかんじですね。

 時期的にも非常に暑かった。夜寝てる最中に停電になり、悶絶した。天井のFANが止まってしまった。こういうときは、Tシャツを水でビチョビチョに濡らしてそれを着て寝ればいいと聞いたことがあるので、洗面所に行く。そそくさと逃げる巨大ゴキブリを横目に、水でぬらしたTシャツを着て寝る。とても涼しい。だがそれも長くは続かない。Tシャツが乾いたらまた濡らし、というのを繰り返す。水入れたペットボトルをベッドのわきに置いておくといいんですよ。

 タージマハルは美しかった。ただそれだけでした。もうこの街には二度と来ることはないでしょうね。さようなら、永遠に(実際は、また来なくてはいけないのだが…)。

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