バラナシを歩く

 インドの中のインド、バラナシの中心地はガンガー沿いで、旅行者はもちろん、インド人もたくさんあふれている。巡礼者も多いのでしょう。メインとなるストリート、といってもかなり狭いのだが、外国人相手のみやげ物屋、楽器教室などが所狭しと立ち並ぶ。牛も歩いている。犬もいる。サルもいる。残念ながら猫はあまり見かけない。歩いているだけでも楽し…くもないな。とにかく人が多いし暑いし、必然的に牛歩になる。そんな愉快な通りをぷらぷら歩く。外国人旅行者が多いため、レストランもたくさんあり、日本語やハングル文字やイスラエル語の看板もあちこちにある。

 狭い通りによくもまあこれだけ人があふれてるなと思う。バイクや人力車の往来も多く、渋滞もしばしば。チャイ売りやフルーツ売りの商人なんかも往来し、また、牛のようなおばちゃんらは文字通り牛歩でこれまた渋滞を引き起こす。雨が降れば通りはたちまち川となり、いろんな汚物が混じった濁流が流れる。ここはひたすらインドの喧騒だ。

  ガートにはいろんな人がいる。礼拝に来る者、クリケットで遊ぶ者、旅行者、旅行者を狙う悪人、洗濯する者、沐浴する者、ボートに乗る者、インチキサドゥー、犬、ヤギ、牛…。そんなものを眺めながらフラフラしていると、ヒロシと名乗る日本語を操るインド人のガキが登場。名前だけで笑えるんだけど、言うことがひどい。

「マニカルニカー・ガートは行った?」
「行った」
「薪代いくらとられた?」
「ほう。よくわかってるじゃねえか。だが何もとられてねえよ、残念だったな」
「ふぅん・・。ねえ、うちの店に来なよ。見るだけでいいから」
「行かない」
「じゃあオマ●コは?」
「・・いらない」
「小さいよ~」
「なにっ!?」
「でもオッパイはすごいよ~」
「…バカ」

 インドにおいて、日本語を操る連中はたくさんいる。かれらは日本に留学したとか語学学校に通って身につけたいというわけではなく、OJTで身につけているのがほとんど。生活がかかっているから本気で憶えようとしているんだろうね。大したもんだよな。

 バラナシとの付き合い方というか、聞いた情報もあるのだが、ガンガーの対岸には絶対に行かないこと。非常に危険。あと、沐浴は避けた方がいいですね。記念にはなると思うけど、どうせ他人に自慢するネタくらいにしかならないでしょう。自慢される方も「フーン」ですよ。実際にガンガーを歩いていると、まともな水質じゃないことがよくわかります。

 また、どこに行ってもそうですが、女性の夜の一人歩きは絶対危険。特にバラナシではいろんな話を聞きます。男性の場合も注意が必要。行方不明者最多発地区です。女を買うにも気をつけて。とにかく安いですが、病気覚悟でよろしく。買うなら高級なのを。ちなみに僕が聞いた最安は200Rs、最高は8000Rsくらいだったかな。

 あと停電が多い(どこに行ってもだけど)。計画停電なのでしょうか。だいたいいつもきまった時間に停電したな。電気が止まって困ることはあまりないけど、きついのは夜。電気が消えて本が読めない、シャワーを浴びれない(無理やり浴びるけど)、お湯が作れない。あと寝てる時。だいたいの安宿は天井に巨大なFANがくっついており、そいつをフル稼働させて涼を得ているわけですが、蚊を吹き飛ばしてくれる役割もあります。電気が止まると暑さが一気に押し寄せてくるわけです。 非常につらいです。そんな時は、着ているものに水をかけてビシャビシャにします。それだけで大変快適になります。すぐ乾くので、また濡らして眠るを繰り返す。

 ちなみにインドではボリがほとんどない。あるのはリキシャーと悪徳みやげ屋くらいかな。そもそも売り物にはきちんと値段が明記されているのでふっかけてきてもすぐわかる。ただ、酒は違う。ラベルに印刷されている値段では売ってくれない。当然定価より高い。まあインドに来ると酒を飲む気はなくなると思います。

 ヒンドゥー教最大の聖地、シヴァ派最大の聖地ということで、あちこちに寺院があります。大小様々な寺院があり、それを拝む人々をみると、日本人ではなかなか理解しがたい光景かなと思います。ヒンドゥー教は組織があるわけじゃなく、土着信仰のようなものだから、生活の一部として当然組み込まれているわけです。ヒンドゥーを敵視するイスラム教徒の集落も近くにあるのですが、何のトラブルもなく溶け込んでいるようですね。

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