ナイトバスをつかまえろ

 バイラワ行きのバスに乗り、屋根の上に積まれた荷物を心配しつつも無事バイラワに到着。ここからネパールガンジに行くわけですが、どうやって行けばいいのかわからないためバスの運転手に聞いてみた。

 「運転手さん、ネパールガンジに行くにはどうしたらいいの?」
 「この先にバイラワのバスパークがある。そこから直行便出てるよ」
 「そうですか。ありがとうございます。で、バイラワのバスパークはどこにあるんでしょうか」
 「この先、1キロくらい歩けば着くよ」

 えー。1キロくらいなんてことない距離だけどさー、この土砂降りの中歩くのはヤダ。などと甘えたこと言ってられないのでクソ重いバックパック背負ってひたすら歩く。バスパークに着いたころにはもうヘトヘトだ。それほどバックパックは重いんですよ。バスパークに着いたものの、どのバスに乗ればいいのか詮索していると、ネパール人が声かけてきた。

 「どこ行きたいんだ?スノウリか?」
 「いや、ネパールガンジっす」
 「あー、残念。あすの朝5時の便だな」

 そうですか。仕方ないっすね。って、まじかよおい。最悪その覚悟はしてたけど、いやだ。ここに泊まりたくない。時間がもったいない。

 「ナイトバスはないのかい?」
 「ナイトバスならあるよ」

 コラ。それを先に言えや。

 「そこのマイクロバスに乗れ。ブトワルまで行くから。ブトワルのバスパークに行けばネパールガンジ行きのナイトバスが出る」

 ここで整理しましょう。私はルンビニからバスに乗り、バイラワまで来ております。ネパールガンジに行くためには、このバイラワから昼間直行便が出ている。しかし、この先のブトワルという大きなバスパークまで行けば、ナイトバスでネパールガンジに行くことができる。
 またバスの乗り換えかよ。でも助かった。声を掛けてくれたネパール人、ありがとうございます。日本人にはできない親切ですね。というわけで、迷わずマイクロバスに乗り込み、ブトワルに向かった。現在の時間14時。ナイトバスが出るのは19:30ということで十分間に合う。ナイトバスは「寝ていれば着く」という気楽な交通手段ではあるが、どうせ寝づらいだろう。

 マイクロバスは目的地のバスパークまで行ってくれた。こういうのって何気に助かる。しかも運転手が、乗りたいナイトバスとチケット売り場を親切に教えてくれたの。ホントに助かります。ネパール人はやさしいのです。サービス精神もあるしね。親切に対応してくれた旅行会社、その辺の人、バスの運転手、みなさんのおかげでこうやって旅ができるわけです。

 さっそくチケットブースでナイトバスのチケット430Rsを買う。ネパールガンジはマヘンドラナガルに行くための中継地点であり、とくに観光する気もない。というか観光するところはない。これから西へ向かうほど田舎になり、不便になっていくでしょう。

 バスチケットを取り、まだだいぶ余裕がある。にもかかわらずバスには多くの人が乗っている。なぜこんなに早く乗っているのかしら。せっかくなので近所のマーケットをうろつく。ナパームデスTシャツを着た男発見!もうネパールではあまりにも日常的風景。驚かない。なぜにこれほどまでバンドTシャツが多いのだろうか。

 ビーチサンダルを新調することにした。85Rsとちょっとイタイけど、もう今使ってるの限界。新しいサンダルはいぼいぼ付きの健康サンダルだよ。歩けば歩くほど健康になるよ。さっそく履いてみましたら、痛い!いぼいぼどころかトゲトゲじゃないの。痛すぎて10メートルも歩けない。これは地道に慣らしていかないとな。旅に出てからサンダルは一体何代目になるんだろう。
 あと、バックパックのレインカバーを買いたかった。破れているんだよね。この雨季まっただ中でレインカバーがないのは非常にまずい。しかし売ってなかった。カッパを巻きつけて応急処置するしかないな。レインカバーを売っているところはあまり見かけなかったので、雨期を旅する場合は大きな町で調達しておいたほうがいいかも。

 あ!とてもイカスファッションをした男を目撃!この暑さ&湿気にもかかわらずロングコートに腕まくり、ナス型サングラス、オールバックの長髪でリュックを背負ってうろついている。すごい速足でうろうろしている。これはいい。写真撮れなかったので思い出して描いてみました(左図)。

 ようやくバスが出発です。例によって満席です。幸いぼくのバックパックは車内の最後部座席に積まれました。盗難が心配ではあるが、屋根の上に積まれるよりマシ。貴重品はしっかり腰に巻いているし、必需品はサブバッグに入れてしっかり抱えている。しかしこのバス狭いなあ!インドのより狭いじゃん。幼児用バスじゃないのこれ。そして車内には大音量でキチガイのようなヒンドゥー音楽が流れ続ける。これナイトバスだよね。どうして音楽流しちゃうのかな。もう慣れたけどさ。

 ちなみに、ブトワルからマヘンドラナガルへの直行便がありました。18:00発のバスでした。これに乗ればよかったじゃない、とあなたは言うでしょう。でもマヘンドラナガル到着が翌日17:00なのよ。さすがにこの狭くて不快なローカルバスに24時間も乗れない。

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