ブッダガヤ観光

 とても寝苦しかったが朝方はだいぶ涼しくなっていた。6時前に起きる。なぜ無職の自由な旅人である僕がこんなに早起きしたのかというと、マハボディ寺院の菩提樹の下で瞑想をしようと思って。自己満足なんですけどね。寺院に向かって歩いていると、日本語で声をかけてくる者が。またインド人のバカ者か、と思ったら本物の日本人でした。

「君、キリストかと思ったよ」

 はあ。確かに僕の外見はキリストですよね。 って、ただ髪とヒゲが伸び放題になってるだけだろ。その日本人は人のよさそうなおじさん。2ヶ月日本で生活→2週間海外で生活というちょっと変わり者で面白い人だったのでしばらくだべることにする。顔なじみのインド人がかなり多いようで、ブッダガヤに頻繁に来ていることはよくわかった。でもどことなく怪しい。

 おじさんとしゃべっていると、あの男がやってきた。早起きじゃん。せっかくなので一緒にマハボディ寺院に行き、いろいろ説明してもらった。彼は毎朝参拝しているようですね。
 マハボディ寺院の入場料はゼロなんだけど、カメラ持ち込み料20Rsとられる。サンダルを預けて入場。俺はずっとこの場所にあこがれていたのでやっぱり感激するわけですよ。そして菩提樹の下で瞑想することをどれほど楽しみにしていたか。菩提樹の前に、とりあえず一通り見て回る。メインテンプルには仏陀像がある。この場所で仏陀は悟りを開いたんだよ。すごいじゃん。そんな場所にいるんだよ俺は。と思いつつも、、仏陀が悟りを開いた時ってひとりだったんじゃないの?悟りを開いた仏陀が「悟った記念に目印付けとこう」なんてするわけないと思うんだけど。どうやって誰が知ったの?

 ちなみにオウム麻原はこの超神聖な場所で「どうだ!」って横たわって大ひんしゅくをかったという。そのせいかどうかわからないけど、ブッダガヤでは「麻原はクレイジーだ」と嫌われてる。

 目的の菩提樹であるが、これは釈迦が悟りを開いたときに座った菩提樹の4代目にあたるという。ほんとかよ。この場合本当だと信じるほうがハッピーなのでつべこべ言わず座ればよろしい。樹の下には数人の僧侶が座っている。俺も彼らに交じって座り、約1時間ほど瞑想を始める。この時間は涼しくて静かで瞑想しやすい。だがハエがブンブン顔の周りを飛び回り、アリどもが体中を這っている。くすぐったいんだよ。でもブッダのおとぎ話だとハエアリどころじゃなく、トラだったからな。ほんとかよもう。

 瞑想が終わる。案の定数か所蚊に刺されていた。改めて寺院内をくまなく散策する。実に立派。仏教には様々な宗派があるけど、ここはそれらすべてを越えた最高の聖地。訪れる人は観光客も多いけど、僧侶もかなり多い。

 寺院を後にする。寺院の周辺には小さなみやげもの屋がある。仏教でおなじみのあの曲、なんていうのかな。曲って言うよりお経みたいな。「ブッダに帰依します~」みたいな内容のやつ。あれが流れてたので買ってみることにした。このCDが160Rs。しかしどう見てもコピー品CDRじゃねえか。相変わらずあくどいな。

 「これコピー品じゃん。50Rsでいい?」

 と、仏陀のように強く優しく値切って買う。

 行ったん宿に戻るといつもたむろっているあの男に絡まれていろんなところに連れてってもらう。ガソリン代すら請求することなく、いい人だってことはわかっている。何より感謝なのは、僕の大好きなマンゴーをインド人価格で買ってくれたこと。俺はマンゴーさえあればいい。

 ここで、インド入国してすぐにコルカタで買ったサンダルが崩壊。インドクオリティにしては長持ちした。思えばサンダル一つ手に入れるだけであれだけ苦労したんだよな。数ヶ月前のことが懐かしい。

 ブッダガヤは仏教の聖地。世界中の仏教寺が建ち並ぶ。バングラデシュ、タイ、ブータン、チベット、中国、そして日本。日本寺はよかったな。その区画だけ純日本なの。どの国も個性的で興味深かった。さらに、日本の巨大な大仏も立っている。正覚寺の大仏。

 実はこのブッダガヤでインド一周を果たしたわけですが、その締めの地として申し分ない形になりました。旅に出る前はインド一周などホントにやる気なのかよと自分で半信半疑だったんだけど。インドはとても広かった。でも今の世の中、こんなに早く旅ができる。それも快適な環境も時々用意されている。昔の旅人は偉大だったんだなと改めて思う。みんな、何を求めてインドに行ったんだろう。僕の旅はまだまだ続く。

今日しか吹かない 風に吹かれ
明日はどこへ行こうかな 楽しいな (ブルーハーツ/チャンス)

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