こんにちはブッダガヤ

 列車はさらに遅れております。列車内では相変わらずやることがないのでずっと横たわっている。腰が痛くなるんだよね。腹が減っているが、こういうときに限って車内販売が一向に来ない。あ!来た! チャイですわ。飲み物は水でいいよ。それにしてもチャイの売れ行きはすごい。大人気。列車は停車駅に止まると10分くらい動かないときがある。こういうときにホームの売店で食料を調達すればいい。が、食い物がないじゃないの。どこにもないじゃないの。ここまで食い物に困るという状況は初めてだな。列車はめちゃめちゃ遅れるわ、食い物はないわで放心するしかなかった。不快な旅路はいつものことだけど。

 ガヤー駅に着いたのは4時間遅れの早朝5時。ここはガヤーという町で、ブッダガヤーではない。ブッダガヤーに行くにはここからリキシャでバススタンドまで行き、そこからバスで行くのがふつう。道中眺める風景は悲惨なものだった。この地域は識字率も低く、特に貧しい場所である。こんなに汚い町はインドでもなかなかお目にかかれない。道路は特にガタガタでゴミだらけ。牛や犬だらけ。ついさっきまで戦地になっていたんじゃないかという廃墟っぷり。そんな町だからバスに揺られるのも大変。しかしながら、ブッダガヤーは一大観光地であるとともに、全世界の仏教徒最大の聖地。ブッダガヤーに近づくと、とたんに道路が整備されはじめ、間もなくマハボディ寺院が見えてくる。

 安宿が集まるエリアに到着。マハボディ寺院近くにあるため、多くの旅行者が集まっている。目的の宿のドミにチェックイン。オフシーズンのため、ドミといってもどうせ俺一人だろうとふんでいたんだけど、まったくその通りで独占状態。まあベッドは3つしかないけどね。それにしても、恐ろしいほど汚い。とても心が休まるような場所ではないけど列車泊に比べれば天国。

 さっそく観光に出かける。ブッダガヤーの目玉は何と言ってもマハボディ寺院。ゴータマ・ブッダが悟りを開いた場所に建てられているテンプルで、広い敷地にド派手な外観。圧倒的な存在感。この日はまだ入場はしなかった。それにしても、あちこちから日本語が飛んでくるな。日本人じゃなくてインド人ね。日本語使いがかなり多い。これは注意しないと。ここで、見覚えのあるインド人が話しかけてきた。宿の玄関付近にいた男。この男こそ、ブッダガヤでは有名なあの男。日本人なら確実に絡んだことがあるに違いない。俺が西インドを周っていた時に出会った日本人が、この男のことをいろいろと話してくれた。いい話も悪い話も聞いていたため特別警戒はしなかった。

 夜になるとマハボディ寺院はいっちょまえにライトアップされる。とっても素敵。俺はダラムサラの瞑想以来、ブッダという男に心底惚れこんでいた。そのブッダの人生が変わり、世界を変える出発点となった場所に今いるということに感激する。明日ゆっくり回ることにして、この日はもう休む。

 きったねーベッドにはもう慣れているものの、このクソ暑いのには慣れるはずがない。一応天井のファンは回っているんだけど、弱いんだよな。そして大量に湧いて出てくるコオロギ軍団が気持ち悪い!元気に飛び回ってるよ。この気持ち悪さ、ゴキブリと変わんないよ。それにしても暑い。必殺Tシャツ濡らしを使って休もうとすると今度は蚊が出現。このドミはベッドが3つ横に並んでるだけの部屋なので蚊帳を張れない。仕方ないので蚊取り線香を焚く。暑さと蚊とコオロギにうんざりしながらも、体は休息を求めて眠りにつくのだった。

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